最終更新日
2004年 3月 25日 (木)
10:20 AM
Why don't you join us ?
Go to summary
Scene04 written by ぴぃち♪
ライダーのピースサインには色んな意味合いがある。この日ぴぃちゃんが出したピースサインには10年間分の色んな思い出が詰まっていた。Return to another world! こちら側の世界へようこそ!そして、お・か・え・り!(群馬県内R18にて)
約11年前に取得した大型二輪免許。中免を取って約3年後にやっと念願が叶った。中免で満足してなかった訳ではないけど、やっぱり乗るからには大きいのに乗ってみたかった。大型専門の教習所に通い練習を繰り返す日々。泣きながら半分意地になって、ようやく念願の大型免許を手に入れた。にも関わらず!約一年後・・・バイクを「降りよう」と決意した。というか・・・「降りざるを得なくなった」。相棒のゼファー750にも慣れ、ますます楽しくなってきた矢先の出来事である。・・・
万人に当てはまる訳ではないけど、結婚すればいつか子供を持つ時が来る。出産するのは女性。自分の体に新しい命が授かったとわかった時から「母親」としての自覚は急速に目覚めていく。その時からバイクには「乗れない」「乗らない」と、いとも簡単に決断出来てしまう。しかし、心の奥底では「私、、、バイクにもっと乗っていたい」「どうして乗っちゃいけないの?」と葛藤していた訳だが、日々大きくなるお腹をかかえて、どんどん「母親」の領域が増えてくる。みんながみんなではないだろうけど、男性は我が子の顔を見た瞬間に初めて「父親」を意識するそうだ。それでも「実感」が沸くのは時間がかかるらしい。父親は子供が出来ても乗っていられる。乗っても何の不都合もない。妊婦になった私はそれから、バイクで出勤していく旦那を指をくわえて見ていただけ。。。。
「趣味はなんですか?」と言う質問はよくありがち。聞かれるたびに、スキーやテニス(上手い下手は抜きにして)などと言っていた訳だが、それは社交辞令だったのかも・・・?スキーは周りの友達がやってるから、自分もちょっとやってみようかな?と始めたにすぎない。始めてみたらそれはそれで楽しかったしのめり込んだけど。しかしバイクだけは違った。自分で自分から「どうしても乗ってみたい!乗るからには上を目指したい!」と心から本当に思った。自分らしさを一番発揮出来ているような気がしていたのもある。
やがて子が生まれ、バイクとも縁遠い生活を送る事になる。不思議なもので、縁遠くしていたのは間違いなく自分自信だった。日々子育てに追われ、バイクのことなど頭の隅で小さくなっていた。下の子も出来、その下の子もいつの間にだいぶ手がかからなくなってきた。保育園にも入れる事になり、そろそろ社会復帰もしたい。自分の事を考える時間が少しずつ出来始めた頃・・・車で走っていて交差点で目に留まったのが1台のバイク。私が好きだったFZ750だった。「まだ走ってるんだ〜懐かしいな〜」とその時はそれ位しか思わなかったけど、家に帰ってきてからもそのFZ750のエンジンの響きが頭からはなれず、「あ、やっぱり乗りたい・・・」と心が叫んだ。
それからはもう歯止めが利かない。子供が出来るまでは協力的だった両親には「母親のくせにバイクなんて!」と大反対され、旦那も「バイクはもっと年を取ってからまた乗ればいい!」と意見が食い違う。やっぱり小さな子供を抱えて母親のクセにバイクに乗るなんて無理なんだ。。。諦めかけてはまた思いなおし、でもやっぱり諦めて・・・バイク以外の他の楽しい事を考えればこの悔しさも紛れるのかも?そう思い、他の事にも熱中してみた。しかし、やっぱり諦められない。心の奥底の叫びをかき消すのは無理だった。
こうなったらこっそり。親にはナイショで。・・・ばれたら?知らない〜。この思いをわかってもらえないなら強行突破するしかない。その日「バイクで行く」とは告げずに、両親に子供を預かってもらった。レンタルバイクの手配をし、急遽私もくっ付いていった。群馬まで。約10年ぶりに公道を走れる日が来るなんて、夢にも思わなかった。何もかもが10年ぶり。高速道路を走るのも、一般道を走るのも。。。最初は不安だった。だけど、一度覚えた感覚はしっかり残っていた。怖さなど微塵も感じず、楽しくて楽しくて・・・やっぱり私にはなくてはならないものなんだ!と改めて実感。
私の約10年ぶりの2度目のスタートはこの日から。この日があって今がある。ごく自然にやっていた「ピースサイン」。この自然なピースサインが私の約10年間の思いすべてのような気がする。2003年2月22日。忘れられない記念日。あんなに頭から反対していた両親も今ではずいぶん協力してくれるまでになった。根回しはカナリ大変だったけど。。。
私は母親。私には子供がいる。家族がある。事故は起こせない。起こしちゃいけない。必ず無事に帰ってくるのが約束。いつも同じことばかり言っている繰り返しである。私を一番私らしくしてくれるバイク。この日からまた“私らしい新しい私”が走り出した。
※あなたが持っているとっておきの一枚をブリーズで公開しませんか?ツーリング先での何気ないひとコマ。心温まるエピソードから、穴があったら入りたかった恥ずかしい思い出(笑)まで、どんな些細な事でも構いません。一枚の写真から始まるあなただけのストーリーをお送り下さい。リレーエッセイはブリーズのライダーの皆さまで綴っていくページ。あなたからの応募をお待ちしています。
Breeze / Copyright (c) 2001-2004 Manabu Hayakawa, Illustrated Junko Nakao All Rights Reserved.
このサイト内で使用されている写真及びイラスト等の無断転載は固くお断り申し上げます。